「アヴァロン」の意味・語源・場所

アヴァロン」というカタカナ語の意味を説明します。

意味

「アヴァロン」は "Avalon"(あるいは "Avallon")という英語(*)をカタカナにした言葉です。
(*) フランス語やポルトガル語、イタリア語、スペイン語でも "Avalon" という綴(つづ)りで発音も同じようなもの。

アヴァロンとは

「アヴァロン」はアーサー王伝説に登場する島の名前です。 アーサー王伝説では、アヴァロンは地上の楽園として扱われています。

アヴァロンは、アーサー王の伝説の剣エクスカリバーが作られた場所であり、カムランの戦い(アーサー王の最後の戦い)で重傷を負ったアーサー王が傷を癒した場所でもあります。 アーサー王や他の英雄たち(円卓の騎士のことでしょう)が死んだときには、アヴァロンに運ばれました。

アヴァロンの場所

アヴァロンは(英国から見て)西方の海上に存在するとされます。

英国南西部に位置するグラストンベリーの近くにアヴァロンが存在すると考える人もいますが、その説は誤りだとされています。
アーサー王伝説に出てくるアヴァロンが、実はフランスのブルゴーニュ地方にあるアヴァロン(Avallon)のことではないかという説も存在します。

初出

「アヴァロン」という言葉が初めて使われた(記録として残っている)のは、ジェフリー・オブ・モンマスという人物が 1136年に発表した「Historia Regum Britanniae(ブリテン諸王の歴史)」 と呼ばれる書物です。

Wikipedia によると、ジェフリーは中世イングランドのキリスト教聖職者で、アーサー王伝説の語り手の一人として知られます。 彼は歴史家でしたが、著作のほとんどは歴史を題材としてはいるもののフィクション(史実ではない)です。

「Historia Regum Britanniae」にしても歴史書のフリをしていますが歴史書ではありません(偽史書)。 この本にはドラゴンが登場したりします(「ドラゴンとドレイクとワイバーンの違い」に画像あり)。

語源

上述の聖職者ジェフリーは「ブリテン諸王の歴史」において、アヴァロンのことを "Insula Avallonis(アヴァロンの島)" と呼びました。 "Insula Avallonis" はラテン語です。 「ブリテン諸王の歴史」がラテン語で書かれた書物だからです。

「アヴァロン」の語源は、英国で8~12世紀ごろに使われていたケルト語系の言語で「リンゴなどの果実(あるいはそうした果実の樹木)」を意味する言葉("aball" や "aballon" や "avallen" など)だと考えられています。

ジェフリーが「ブリテン諸王の歴史」より後に発表した「Vita Merlini」(*)という書物では、アヴァロンを指して "Insula Pomorum(果樹の島)" という呼称を用いています。
(*) 「マーリンの生涯」という意味でしょうか。 「マーリン」とはアーサー王を補佐したという魔法使いマーリンのことでしょう。

わたしの推測

"Avallon" はジェフリー・オブ・モンマスの造語で、彼がどのような言葉に基づいて "Avallon" という語を生み出したのかが不明なんだと思います。 "aball" や "aballon" や "avallen" の辺りだと推量されてはいるけれど断定はできないという感じで。

アダムとイブのエデンの園でもそうですが、果樹は楽園の象徴なのでしょう。 だからジェフリーは、エデンの園と同様に楽園であるアーサー王が生まれた島の名前に「リンゴなどの果実」を意味する語をもじって "Avallon" という言葉を作ったんだと思います。

ジェフリーはウェールズ生まれだそうですから、前述の「英国で8~12世紀ごろに使われていたケルト語系の言語」は彼の母国語だったはずです。

現実社会における「アヴァロン」

地名

「アヴァロン(Avalon)」は米国、カナダ、オーストラリアなどの地名・空港・建物の名前に使われています。 米国には "Avalon" という地名がけっこうあります。 米国人はアーサー王伝説を好むのでしょうか? フランスには前出の "Avallon" の他に "Avalon"("l" が1つだけ)という名の村もあります。

その他

「アヴァロン(Avalon)」は、楽曲・バンド・映画・ゲーム・小説・漫画などのタイトルにもよく用いられます。