ヒーター・シールドとは? 「ヒーター」の語源は意外にカッコ悪かった

RPG(ロール・プレイング・ゲーム)やライト・ノベルに「ヒーター・シールド」というタイプの盾が登場することがありますが、このヒーター・シールドとは一体どのようなものでしょうか? 「ヒーター・シールド」の「ヒーター」とはどういう意味なのでしょうか?

ヒーター・シールドとは

形状

ヒーター・シールドはアイロン(衣服に押し当てる熱い器具)のような形をした盾です。

木製の板に革を貼り付けたものが一般的でしたが、金属製(鉄や鋼など)のものや、木を金属で補強したものも存在しました。

ヒーター・シールドには「ギージ(guige)」と呼ばれるストラップが付いていて背負えるようになっていることが珍しくありませんでした。


ヒーター・シールドの形状
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歴史

ヒーター・シールドは12世紀後半のヨーロッパで誕生しました(カイト・シールドが改良された)が、板金鎧でカバーされる体の範囲が広がるにつれて小型化してゆき、14世紀半ばにはトーナメント(馬に乗った騎士が槍や剣で戦う試合)以外では見かけなくなりました。

トーナメント用の盾としては、ヒーター・シールドは15世紀以降も改良が続きました。

利用

ヒーター・シールドはカイト・シールドよりも小型・軽量であるため取り扱いが比較的容易で、歩兵も騎兵も使用できました。 製造コストが比較的安いため、騎士だけでなく一般的な兵士も使用していました。

ヒーター・シールドは防御面積がかなり広いのですが、足元がカバーされないという欠点があります。 この欠点は、すね当てなどの防具を充実させることである程度解消できます。

ヒーター・シールドの語源

「ヒーター・シールド」という呼称は中世のヨーロッパで自然に発生したものではありません。 ビクトリア朝(1837~1901年)時代の古物愛好家が、この種の盾がアイロン(衣服のシワを伸ばす器具)の形に似ているということで、「ヒーター・シールド」と呼び始めたのだそうです。

英語では「アイロン」のことを「ヒーター(heater)」と呼ぶのでしょうか? 辞書で確認すると、「アイロン」は英語でもやっぱり "iron" です(アイロンであることを明確にしたければ "clothes iron" と言う。 "clothes" は「衣服」という意味)。

そして "heater(ヒーター)" の意味を調べても、「熱を発する器具全般」という意味は記載されているもののそれは主に暖房器具のことで、辞書の "iron" の項目にことさらに「アイロン」という意味が記載されてはいません。

ビクトリア朝の時代には "heater" と言えば主にアイロンを指したのかもしれないと思って Wikipedia でアイロンの歴史を調べましたが、1800年代にもアイロンはアイロン(iron)と呼ばれていたようです。 当時のアイロンは単なる鉄の塊(形状だけは現在のアイロンと同じ)で、それをストーブなどで温めて使用しました。


1800年代のアイロン
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