自作のラノベで広告収入を得られるか?

アフィリエイト → ラノベの経緯

創作ではないWebコンテンツで得られる広告収入に私は限界を感じていました。 というか、今も感じています。

私が思うに、Webコンテンツで得られる収入は、サイト運営者の知識・趣味・性格・能力によって限界が予め決まっており、その限界を超える収入額を達成することはできません。

例えば、自動車・写真・園芸・プログラミングなどの趣味や専門技能を持ち、そうしたジャンルにおいて高いレベルに達した人であれば、そのジャンルのサイトを作ることで一定の広告収入を達成することができるでしょう。 しかし、そのジャンルに興味を持つ人口がアクセス数の上限であり、その上限に達すると収益はそれ以上には増えません。

趣味も専門技能も無い人の場合は、状況はさらに厳しくなります。 どのようなジャンルであれ検索エンジンに認められるには、そのジャンルにおける高レベルの知識が要求されるからです。 特に金銭や健康が関与するサイトは、Google のYMYLという方針のために、素人の個人がちょっと勉強して作ったサイトで検索エンジンに高く評価されるのは途方もなく困難になっています。

趣味も専門技能も無い場合には雑記ブログを書くことになりますが、雑記ブログとは言っても需要がなければ話になりません。 貧乏アフィリエイターの陰気な日常を綴った日記など誰も読みたがらないためです。 私が見たところ、雑記ブログといってもアクセス数が多そうなブログには核となるテーマがあります。 それは例えば育児であったり、仕事のことであったり、購入したガジェットのレポートであったり、旅行記であったりします。

つまり、趣味も専門技能も無く、需要があるような情報を生み出す活動も行っておらず、カネが無いために色々な商品を買ったりグルメ旅行をしたりできない場合には、需要のあるWebコンテンツは書けないのです。

しかし、ラノベのような創作コンテンツであれば、現実の知識や活動に縛られることなく自分の好きなように文を書くことができます。 自分の想像力と創造力しだいでいくらでもコンテンツを増やせるというわけです。

私はロクに趣味も無い人間ですが、ファンタジーの世界は昔から好きで「小説家になろう」でファンタジー系のラノベを読んだりしていました。 そこで、これまで小説を書く練習すらしたことがなかったのですが、ラノベを書いてみようと思い立ちました。

書いてみた

それで書いてみたのが「福引きの木」という短編です。 のちに「パーティーを追放されたスライムが世界経済を牛耳る話」という短編も書きました。

アクセスの発生状況

検索経由のアクセス数

検索エンジンからは全くアクセスがありません。 検索エンジンからのアクセスがほぼ無いであろうことは予想していたのですが、思った通りアクセスがありません。 小説の文字数が合計5千文字以上はあるのですが、3ヶ月ほどが経過した現時点で1人もアクセスがありません。

小説サイトはやはり検索からのアクセスがないのでしょう。 それも無理からぬ事です。 小説には色々な言葉を使いますが、SEO的なキーワードはゼロだと言っても過言ではありませんから。

小説サイト経由のアクセス数

ラノベを自分で書き始めて間もなくから、「小説家になろう」と「アルファポリス」という小説投稿サイトで自分のラノベの一部(自サイトで公開している話全体の1/3ほど)を自サイトのURL付きで公開していたのですが、こうした投稿サイトからの流入もほぼゼロです。

「小説家になろう」や「アルファポリス」において私の作品は人気が出なかったので、私の作品が多くの読者の目に留まっていたわけではありません。 それでも、これらの小説投稿サイトに投稿した部分に関しては少しは読んでくれている人もいるようです。 ところが、そのように小説投稿サイトで読んでくれる人も、私のサイトに来てまで読もうとはしてくれません。

推測になりますが、小説投稿サイトで人気を博すような作品であっても、そこから個人のサイトを訪れてまで読もうという人は極少数なのではないかと思います。

小説投稿サイトでの自作品の露出を増やすために、一話を投稿しては削除し再び投稿するというセコいことをやってみたりもしましたが、やっぱり小説投稿サイトから自サイトまで来てくれる人はいません。

小説検索エンジン

http://ept.s17.xrea.com/WanNe/index.shtml や、http://oe-p.com/、http://syosetsu.fan-site.net/ といった創作物専門の検索エンジンやディレクトリにも登録してみましたが、これらのサイトの1日のアクセス数が数十人~100人ぐらいであるようなので、アクセスの流入はあまり期待できません。

お得なのはアルファポリス

アルファポリス」では、投稿した作品で発生した収益のすべてが作者に還元されると謳っています。 実際、私もごく僅かですが収益が発生しています。 体感的には200ptあたり1スコアほどの収益が発生する感じです。

1スコアが1円と考えて差し支えありませんが、支払われる形態が Amazonギフト券であるとか、1000スコア貯まらないと現金化できないうえスコアに有効期限があるなど、いくつかの制限があります。

「アルファポリス」の1ptがアクセス数の1PVというわけではない(お気に入りが付くと数百ptも増えたりする)ので、アドセンス広告を貼っている自サイトでアクセスが発生する場合と「アルファポリス」でアクセスが発生する場合とで、どちらが収益が多くなるのかは不明です。

「小説家になろう」の場合

「小説家になろう」にも広告が貼られていますが、その広告で生じた収益は一切作者には還元されず、100%が運営者のものとなります。

「小説家になろう」で出版社の目に留まった作品は書籍化されることがあるので、そのチャンスが「小説家になろう」に投稿する作者が得られる唯一の利益だということになります。

しかし「アルファポリス」でも書籍化のチャンスはあるので「アルファポリス」のほうが良いですね。 書籍化する作品を求めて「小説家になろう」をチェックしている出版社なら「アルファポリス」もチェックしているでしょうし。

検索エンジンにおける扱い

自サイトに発表した作品を小説投稿サイトでも発表すると、同じコンテンツが複数のサイトに掲載されることになります。 いわゆる「重複コンテンツ」というやつです。

したがって、自分の作品に含まれるキーワードの検索順位において自サイトと小説投稿サイトとで競合することになりますが、この競合において自サイトは小説投稿サイトに負けます。 自サイトよりも小説投稿サイトのほうが検索結果において上位に表示されるのです。

これは小説投稿サイトのドメイン・パワーが非常に強いためです。 「小説家になろう」のほうが「アルファポリス」よりも強いようです。「小説家になろう」はSEO対策でもしているのか、とてもドメインが強いですね。 「小説家になろう」で投稿した作品の削除を禁止しているのも検索エンジンからの流入を意識してのことでしょう。

もともと検索エンジンから自サイトへのアクセス流入には期待していないのですから、自サイトよりも小説投稿サイトのほうがSEO的に強くても何の問題もないのですが、オリジナルである(掲載時期が早い)自サイトがコピーである(掲載時期が遅い)小説投稿サイトよりも下位に表示されるのは見ていて楽しいものではありません。

本屋で本が売られる場合との比較

書籍化された場合

作品が書籍化されて書店で販売された場合の収益はどれくらいなのでしょうか? 先日、印税が2%(ネットの反応を見ると相当に低い数字っぽい)であると公表した作家がいますが、本の定価が仮に500円だとすれば、その2%は10円に過ぎません。 1,000円でもたったの20円です。 仮に印税が5%で本の価格が 1,000円でも、作家の収益は一冊あたり50円です。 意外に少ないですね。 計算が間違ってるのではないかと疑ってしまいます。 1,000冊売れても5万円にしかなりません。

Web上で発表する場合

これに対して、Web上で広告収益を目当てに自分の作品を公開する場合はどうでしょうか? 仮に15万文字(文庫本1冊分ぐらい)の作品を50ページに分けて掲載するならば、一人の読者が作品を最後まで読み終えて発生するPVは50です。 そして、(アドセンスを利用するという想定で)仮にページRPM(*)が200円だとすれば、1読者が作品を最後まで読んだときの収益は10円でしかありません。 自分の作品が 1,000人に消費されて1万円

(*) RPMとは Revenue Per Mille の略語で、表示 1,000回あたりの収益。 数字が大きいほど稼げている。

アドセンスの場合、RPMは「ページRPM」と「広告RPM」に大別される。 ページRPMがページのRPMなのに対して、広告RPMは広告のRPM。 このような区別がなされるのは、1つのページにつき2つも3つも広告が貼られるのが一般的であるため。

例えば1ページに広告を3つ貼るなら、ページ表示1回につき広告表示3回となる(実際には広告が表示されないこともあるので、これほど単純な話ではないけれど)。 したがって、ページRPMよりも広告RPMのほうが金額が小さいのが普通。

ページRPMが200円というのは、ページが 1,000回表示されるごとに(1ページあたりの広告の数にかかわらず)200円の収益が入る状態のこと。

さらに、私個人の体験からして作品が面白いほど広告には目もくれずに次々と読み進んでいきますから、RPMが200というのは見込みが甘いでしょうね。 ページRPMは100円ぐらいかもしれない。 だとすれば読者1人あたり5円。 文庫本が1冊売れて作者に5円しか入らないのと同じです。 15万文字も書いて読者一人当たり5円。 1,000人が読んでくれても 5,000円にしかなりません。

アクセス数も考慮すると...

そして自作品をWeb上で公開する場合の最大の難問が、どうやって読者(アクセス)を集めるかです。 日本人の全員が小説を読むわけではありません。 小説を読む一部の日本人のうち自分が書いてる作品のジャンルに興味を持つ人となるとさらに少数です。 そして、そんな限られた層のうちWeb上で積極的に作品を探す人となると相当に少数でしょう。 読者を1千人集めるのすら至難の業です。 せいぜい数十人。 そうすると15万文字も書いて数百円の収益。

こうして考えるとやはり、本格的に作家を目指すわけでもない人間がWebで小説を発表して小銭を稼ごうとするのは現実的ではありません。 小説を書くよりもアフィリエイトのほうが現実的かなという気になってきます。 しかし、そのアフィリエイトでそもそも稼げないから小説を書こうとしたわけで... 在宅でお金を稼ぐって難しいですね。 在宅でできる仕事であれば労力は惜しまない所存なのに。

15万文字をアフィリエイトに費やしたら

アフィリエイトの記事1つを3千文字とすれば、15万文字は50記事分になります。 そして、仮に1記事あたり1日1アクセスにしかならないとしても、1日50PV。 50PVのアクセスが毎日発生するわけです。 ページRPMが200円だとしても50PVで毎日10円の収入になります。 一ヶ月もすれば文庫本の小説をWebで公開する以上の収益が得られる計算になります。

で、少なくとも1年ぐらいなら放置しててもアクセス数は変わらないでしょうから、1年で4千円近く。 実際には、50記事も書けばヒット記事も生まれるでしょうから、もっと収益は大きいはずです。 年間で5千円ぐらいの収益にはなるでしょう。 そして、年間5千円の収益が発生するという状態が仮に10年間続くとすれば5千円×10年=5万円の収益になります。 15万文字で5万円になるというわけです。

したがって、どちらもWebで発表するという条件であれば、小説よりも普通にアフィリエイトをやったほうが遥かに収入が大きいと言えます。

バイトも交えた比較

ただし、アフィリエイトにしても労力に見合うほどの収益ではありません。 アフィリエイトで3千文字の記事を1つ書くのに4時間かかるとして、50記事で200時間。 200時間を時給 1,000円のバイトに充てれば20万円になりますから。

同じように200時間を費やしたときに、アルバイトなら20万円を稼げるのに対してアフィリエイトは5万円しか稼げないのです。 しかもアフィリエイトは直ちにおカネが懐に入るのではなく10年間にわたり徐々に入ってきます。 そして何よりも、10年のあいだ同じようにアクセスが発生し続ける保証がありません。

上記をまとめると、アルバイト200時間で20万円を稼げるのに対して、アフィリエイト15万文字(200時間)だと5万円、そしてWeb小説15万文字だと数百円の収入にしかなりません。

アフィリエイトの収益として上げた数字は最低ラインであり、実際にはもっと稼げる可能性も少なくありませんが、Web小説の数字はこんなもんではないでしょうか。 普通に仕事するのに比べてアフィリエイトは労力が報われず、小説はアフィリエイトに輪をかけて労力が報われないというわけです。

まとめ

自サイトで広告収入を目当てにWeb小説を公開しても、まともな収益は得られません。 小説を書くなら書籍化を目指しましょう。 自サイトにWeb小説を掲載して年に1万円でも収益を出すよりも書籍化のほうが実現の可能性が高いかもしれませんよ。 書籍化が容易だと考えているわけではありません。 小説の広告収入で稼ぐのがそれほどに大変だろうということです。