質問:「ドラゴンスレイヤー」や「ゴブリンスレイヤー」などの「スレイヤー」は、どういう意味ですか?
回答:「~を殺す人/物、~殺し」です。
詳しくは以下をご覧ください。
1. 英語に戻すと
「スレイヤー」を英語に戻すと "slayer"。 この "slayer" の意味が「~を殺す人/物」です。
2. 言葉の成り立ち
"slayer" は "slay" と "-er" から成ります:
- slay ・・・「~を殺す」などを意味する動詞
- -er ・・・「~する人/物」を意味する接尾辞
"kill" と "slay" の違い
"kill" が「(手段にかかわらず)殺す」を意味するのに対し、"slay" は「~を暴力により殺す」を特に意味します。 つまり、毒殺などではなく殴ったり斬ったり刺したりして殺すのが "slay" です。 「屠(ほふ)る」という訳語がピッタリかもしれません。
また、"kill" よりも "slay" のほうが文語的(格式張っている)です。
3. 3つの意味
ファンタジー作品で「スレイヤー」は次の3つの意味で使われます:
- 特定のモンスターを殺す(退治する)のに特化した人、特定のモンスターを殺すのが得意な人
- 特定のモンスターを殺した実績がある人
- 特定のモンスターに対して特に有効な武器や魔法
用例
例えば、「ドラゴン・スレイヤー」は次のいずれかの意味です:
- ドラゴン退治を得意とする人
- ドラゴンを退治した実績がある人、竜退治の勇者
- ドラゴンに対して特に有効な武器や魔法
「デーモン/ゴブリン/スライム/ジャイアント・スレイヤー」なども同様です。
「ドラゴンス・レイヤー」の実例
人
「RPGリプレイ ロードス島戦記Ⅰ」の138ページで、ドラゴンを退治した後で主人公の戦士パーンが「これでオレたちはドラゴン・スレイヤーの称号を名乗れるわけだ」と発言します。
この「ドラゴン・スレイヤー」は「ドラゴンを退治した実績がある人、竜退治の勇者」の意味です。
武器
1986年に発売されたPCゲーム「Xandadu(ザナドゥ)」で、ドラゴン・スレイヤーはラスボスであるキングドラゴンを倒せる最終的な武器です。
ところがこのドラゴン・スレイヤー、強力な効果を発揮するのはキングドラゴンに対してのみ。 他のモンスター相手には中堅クラスの武器と同じ威力しかありません。「ドラゴンに対して特に有効な武器」なのです。
魔法
RPG的な世界を舞台とするマンガ「Fairy Tail(フェアリーテイル)」で、主人公の使う「滅竜魔法」の別称が「ドラゴン・スレイヤー」だったはずです。
「ドラゴン・スレイヤー」を攻撃魔法の意味で用いる例を他に私は知りませんが、先述の "slayer" の成り立ちを鑑(かんが)みれば、攻撃魔法の呼称を「ドラゴン・スレイヤー」とするのは決して間違いではありません。
4.「スレイヤーズ」の意味
「スレイヤーズ」というタイトルのアニメがありましたが、この「スレイヤーズ」は "slayer" の複数形 "slayers" をカタカナにした言葉。 なので、「スレイヤーズ」の意味は「殺すものたち」です。