ハック・アンド・スラッシュ(ハクスラ)の意味と語源

ハック・アンド・スラッシュ(ハクスラと略される)」という言葉がありますが、この言葉はどういう意味なのでしょうか?

原語

「ハック・アンド・スラッシュ」は "hack and slash" という英語をカタカナで表記した言葉です。

"hack and slash" の意味

"hack" と "slash" の意味

"hack" は「(樹木などを)切り倒す、(乱暴に)切る、(森で樹木を切り倒すなどして)道を切り開く」などの意味です。

"slash" は「(刃物で)切る、(何かに)切れ目を入れる、(森などで樹木などを)切って進む」などの意味です。

要するに、"hack" も "slash" も主な意味は「切る」です。 "hack" も "slash" も上記の動詞としての意味の他に、名詞としての意味(切ること)もあります。

"hack and slash" では、同じように「切る」という意味を持つ言葉を繰り返しているのですから「斬ってばかり」ということになります。
「斬る」は「人などを斬って傷つける」という意味で「切る」ということですから、"hack and slash" には「切る」よりも「斬る」がふさわしい。

"hack and slash" の意味

"hack and slash" は、「内容が戦闘ばかりの(娯楽作品)」という意味で使われる言葉です。

紙とペンで遊ぶRPG

"hack and slash" はもともと、D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)などのテーブルトップ(コンピューターを使わず多人数でサイコロ・紙・鉛筆を用いて遊ぶ)のロール・プレイング・ゲーム(RPG)の用語で、「戦闘ばかりでストーリーも目的などの要素が無いタイプのシナリオ」という意味でした。

コンピューターRPG

その "hack and slash" が、コンピューターのRPGゲームでも同じ意味で使われるようになりました。 謎解き・陰謀・感動などの要素がなくひたすら敵を倒すだけのゲームが "hack and slash" と呼ばれます。

アクション・ゲーム

"hack and slash" という言葉はアクション・ゲームに関しても使われます。 ただしアクション・ゲームに関しては、戦闘重視ではあっても「斬る」という行動を伴わないシューティング・ゲームや格闘ゲームは "hack and slash" とは呼ばれません。

小説・マンガ・映画

ゲームのみならず小説・マンガ・映画などに関しても、"hack and slash" が使われるようになっています(日本語の「ハック・アンド・スラッシュ」も英語の "hack and slash" も)。

"hack and slash" が悪い意味で使われることも

"hack and slash" は次のように否定的な意味(戦闘シーンばかりで物語の他の要素が希薄)で使われることが少なくありません:
This game is nothing more than Hack and Slash roleplaying!
このゲームはハック・アンド・スラッシュRPGでしかない!
# 敵を倒すだけのハクスラRPGで戦闘以外の要素が無い、というわけです。
"hack and slash" は当初より否定的な意味で使われていたようです。 1980年に "Dragon" 誌に掲載された記事に次のような発言があります:
"There is great potential for more than hacking and slashing in D&D or AD&D; there is the possibility of intrigue, mystery and romance involving both sexes..."
「D&DやAD&Dにはハック&スラッシュに留まらない大きな可能性がある。 陰謀・ミステリー・ロマンスなんかがね」

上の発言では "hacking and slashing" となっていますから、「ハック&スラッシュ」の "hack" と "slash" を動詞として使っています。 その動詞の "hack" と "slash" に "-ing" がついて現在分詞(≒名詞)になっています。