「アヴァロン」の意味は? 場所は? 語源は?

カタカナ語「アヴァロン」の意味を説明します。

1. アルファベットに戻すと

「アヴァロン」をアルファベットに戻すと "Avalon"(あるいは "Avallon")です。
"Avalon" は英語のほかフランス語・イタリア語・スペイン語などの語彙(ごい)にもなっています。

2. アヴァロンとは

2.1. 島の名前

「アヴァロン」はアーサー王伝説に登場する島の名前です。 アーサー王伝説で、アヴァロンは地上の楽園として扱われます。

アヴァロンは、アーサー王の伝説の剣エクスカリバーが作られた場所であり、カムランの戦い(アーサー王の最後の戦い)で重傷を負ったアーサー王が傷を癒した場所でもあります。 アーサー王や他の英雄たち(円卓の騎士のことでしょう)が死んだときには、アヴァロンに運ばれました。

2.2. アヴァロンの場所

アヴァロンは(英国から見て)西方の海上に存在するとされます。

英国南西部に位置するグラストンベリーの近くにアヴァロンが存在すると考える人もいますが、その説は誤りとされます。
アーサー王伝説に出てくるアヴァロンが、実はフランスのブルゴーニュ地方にあるアヴァロン(Avallon)のことではないかという説も存在します。

2.3. 初出

「アヴァロン」という言葉が初めて使われた(記録として残っている)のは、ジェフリー・オブ・モンマスという人物が 1136年に発表した「Historia Regum Britanniae(ブリテン諸王の歴史)」 と呼ばれる書物です。

ジェフリーは「ブリテン諸王の歴史」において、アヴァロンのことを "Insula Avallonis(アヴァロンの島)" と呼びました。
"Insula Avallonis" はラテン語です。 「ブリテン諸王の歴史」がラテン語で書かれた書物だからです。

ジェフリーについて

ジェフリーは中世イングランドのキリスト教聖職者で、アーサー王伝説の語り手の一人として知られます。 彼は歴史家でしたが、著作のほとんどは歴史を題材とするフィクション(史実ではない)です。

「Historia Regum Britanniae」にしても歴史書のフリをしていますが歴史書ではありません(偽史書)。 この本にドラゴンが登場することからも明らかです(参考:「ドラゴンとドレイクとワイバーンの違い」)。

3.「アヴァロン」の語源

3.1. 果実

「アヴァロン」の語源は、英国で8~12世紀ごろに使われていたケルト語系の言語で「リンゴなどの果実(あるいはそうした果実の樹木)」を意味する言葉("aball" や "aballon" や "avallen" など)だとされます。

ジェフリーは「ブリテン諸王の歴史」より後に著した「Vita Merlini」(*)で、アヴァロンを指して "Insula Pomorum(果樹の島)" と呼んでいます。「アヴァロン」の語源が「果実」であることを支持する材料です。
(*) 「マーリンの生涯」という意味でしょうか。 「マーリン」とはアーサー王を補佐した魔法使いマーリンのことでしょう。

3.2. 推測

ジェフリー・オブ・モンマスによる造語?

"Avallon" はジェフリー・オブ・モンマスの造語で、彼が実在のどの言葉に基づいて "Avallon" という語を作ったのか不明なのでしょう。 "aball" や "aballon" や "avallen" の辺りだと推量されるが断定はできないという感じで。

楽園のイメージ

アダムとイブのエデンの園もそうですが、果樹は楽園の象徴でしょう。 ジェフリーはアーサー王が生まれた島を楽園のイメージにしたくて、「リンゴなどの果実」を意味する語をもじった "Avallon" を島の名前にしたのだと思います。

ジェフリーの母国語

ジェフリーはウェールズ生まれだそうですから、前述の「英国で8~12世紀ごろに使われていたケルト語系の言語」は彼の母国語だったはずです。

4. 実在する「アヴァロン」

4.1. 地名

「アヴァロン(Avalon)」は米国、カナダ、オーストラリアなどの地名・空港・建物の名前に使われています。 米国には "Avalon" という地名がけっこうあります。 米国人はアーサー王伝説を好むのでしょうか?

フランスでは、ブルゴーニュ地方に "Avallon" という名の地方自治体(コミューン)が存在するほか "Avalon"("l" が1つだけ)という名の村もあります。

4.2. その他

「アヴァロン(Avalon)」は、楽曲・バンド・映画・ゲーム・小説・漫画などのタイトルにもよく用いられます。

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