RPGなどのファンタジー作品に登場するポピュラーな回復係(*) として双璧をなす「クレリック」と「プリースト」。 この2つのクラス(職業)は、どう違うのでしょうか?
(*) ヒールやキュアなどの回復魔法を使うクラス。
1.「クレリック」の意味
「クレリック」を英語に戻すと "cleric"。 "cleric" の意味は「聖職者」や「僧侶」。いわゆる「お坊さん」です。
宗教の種類にかかわらず、聖職で生計を立てる人が「クレリック」です。
2.「プリースト」の意味
「プリースト」を英語に戻すと "priest"。 "priest" はキリスト教などの宗教組織における聖職者の階級の1つです。 宗教的な儀式を司(つかさど)る資格を持つ一人前の聖職者が "priest" です。
補足
- "priest" は「司祭」と和訳されますが、この「司祭」とは「祭りを司る」ことです。
- "priest" はキリスト教以外の宗教に関しても「祭事を司る地位にある聖職者」の意味で使われます。
- "priest" は司祭に限らない「聖職者」の意味("cleric" と同じ意味)にも使われます。
- RPGには「ビショップ(bishop)」というクラスも登場します。 「ビショップ」はキリスト教の教会組織において司祭の上に位置する階級です。 ビショップは「司教」と和訳されます。
「大司教」は「アーチビショップ(archbishop)」
3. まとめ
- 「クレリック」は聖職者全般を指す。
- 「プリースト」は主に宗教組織における特定の地位(宗教団体内での階級の一種)を指す。
- つまり、プリーストはクレリックの一種。
- けれど「プリースト」も聖職者全般の意味で使われることがある。 その場合の「プリースト」は「クレリック」と同じ意味。
4. 今回の知識の活用例
- 自分のファンタジー作品のキャラクターとして例えば「組織に属さない孤高の聖職者」を登場させる場合、そのキャラクターの肩書きは「プリースト」ではなく「クレリック」とすべきでしょう。
- ファンタジー小説などで教会組織のヒエラルキー(階級)を設定するときに、「クレリック見習い → クレリック → ビショップ」とするのは不適切です。 ビショップもクレリックの一員ですから。「プリースト見習い → プリースト → ビショップ」としましょう。
あるいは「クレリック見習い → プリースト → ビショップ」。