カイト・シールドってどんな盾? ヒーター・シールドとの違いは?

RPGやライト・ノベルに登場する盾の一種「カイト・シールド」。 このカイト・シールドとは、どのような盾でしょうか?

1. カイト・シールドとは

1.1. 形状

カイト・シールド(kite shield)は、かなり大型の盾です。 形状が洋風の凧(*) に似るため「カイト・シールド」と呼ばれます。
(*) 「凧」の読み方は「たこ」。 「凧」に対応する英語は "kite"。

当初のカイト・シールドは上辺が曲線でした(涙型を逆さまにした形状だった)が、やがて上辺が水平になりました(盾を掲げたとき視界が妨げられないように)。

12世紀のドイツで作られた銅メッキ刻板

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Author: Deacon of Pndapetzim
License: CC BY-SA 2.5

1.2. 歴史

カイト・シールドは元々はノルマン人が好んで使った盾。 11世紀にノルマン人が英国を征服したときに英国で普及したとされます。 カイト・シールドはヨーロッパで13世紀初頭まで使われました。

カイト・シールドが普及する以前のヨーロッパではラウンド・シールド(円形の盾)が一般的でしたが、カイト・シールドが導入されてからはカイト・シールドのほうが人気があったようです。

1.3. 使用

カイト・シールドは騎兵に適します。 バックラーなどの円形の盾に比べて騎兵の左半身の防御力が(特にランスを構えて突進する時に)格段に向上するためです。

カイト・シールドは縦方向に長大なので歩兵には扱いづらかったのですが、それでも中世ヨーロッパで最も一般的な盾の1つで、一般の兵士もよく使いました。

2. ヒーター・シールドとの違い

2.1. 疑問

RPGやライト・ノベルには、カイト・シールドと同じような盾として「ヒーター・シールド」も登場します。 両者はどう違うのでしょうか?

2.2. 回答

お答えしましょう。 カイト・シールドが改良されたのがヒーター・シールドです。 ヒーター・シールドはカイト・シールドより小型かつ軽量で、カイト・シールドに比べて騎乗中の取り扱いが容易です。

中世の武具を趣味で自作されている方のサイト Ye Olde Gaffers Leather and Wood Works!(サイト消滅)を見ると、盾の縦幅がカイト・シールドで約102cmなのに対し、カイト・シールドでは約66cmです。

カイト・シールドからヒーター・シールドへの進化は12世紀後半~14世紀初頭に生じました。 鎧が軽装の兵は後の時代までカイト・シールドを使用しました。

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