質問:「シーサーペント」などの「サーペント」とは、どういう意味ですか?「スネイク」との違いも教えてください。
回答:「サーペント」の意味は「蛇」です。
「スネイク」との違いなど詳しくは以下をご覧ください。
目次
1. 英語に戻すと
「サーペント」を英語に戻すと "serpent" です。
2. 詳しい意味
"serpent" は蛇の中でも特に次を指します:
- 大蛇
- 危険な蛇、有害な蛇
ですが、"serpent" は普通の「蛇」の意味にも使われます。
3.「スネーク」との比較
3.1.「ヘビ」の意味での違い
"snake" が「蛇」を意味する一般的な語なのに対して、"serpent" は文語(1) あるいは古語(2) です。(1) 話し言葉ではない書き言葉。
(2) 昔の言葉。シーサーペント vs. シースネーク
世界各地の神話やオカルトの話(*) に登場する「海に棲む大蛇」は「シーサーペント(sea serpent)」と呼ばれます。
これに対して "sea snake" は現実の海に生息する「ウミヘビ」を指します。
ファンタジー的な文脈と現実的な文脈との使い分けです。
(*) UMA(unidentified mysterious animal)として。 UMAとは、雪男とかネッシーとかのこと。 ちなみに、"unidentified mysterious animal" は日本人が作った言葉。 英語では「UMA」と言わず "cryptid" と言う。
3.2.「ヘビ」以外の意味の比較
危険な人物
"snake" にも "serpent" にも「不誠実で油断のならない人」の意味があります。 「ヘビ」のイメージに由来する比喩的な意味です。
悪魔
"serpent" には「悪魔(devil)」の意味がありますが、"snake" にはありません。
キリスト教がラテン語で英語圏に流入したからでしょう。
エデンの園のヘビ
旧約聖書に描かれるエデンの園に登場するヘビ(1) を指す語も、基本的には "serpent"(2) です。(1) エデンの園のヘビは悪魔と同一視されることがあるが、「エデンの園」という概念の出所である『創世記(Book of Genesis)』における扱いは悪魔ではない。
(2) 絶対に "snake" が使われないわけではない。 文章中で "serpent" を言い換える語として "snake" が使われたりする。4. 語源
"snake" の語源はゲルマン祖語 "snakô"。 "serpent" の語源はラテン語 "serpens"。 どちらも主な意味は「這(は)う生き物、ヘビ」です。
英語に「蛇」を意味する言葉が2つ流入した結果、"snake" が「蛇」を意味する一般的な語の地位を占め、"serpent" は使われなくなり(ゆえに古語/文語になった)特殊な意味(大蛇、危険な蛇)に押しやられたのでしょう。