RPGや漫画・小説・映画に使われる言葉「アンデッド」。 この「アンデッド」は、どういう意味なのでしょうか?
1. 英語に戻すと
「アンデッド」を英語に戻すと "undead" です。
2. "undead" の意味
形容詞としての意味
"undead" は形容詞で、意味は「もはや生きていないが超自然的な力により活動する力を付与された」です。 「不死の」と訳されることもあります。
Not all undead creatures are evil.
アンデッドなクリーチャーすべてが邪悪なわけではない。
名詞としての意味
"undead" には名詞としての意味もあります。 名詞の "undead" は「もはや生きていないが超自然的な力により活動する力を付与された存在」という意味です。
Life(?) as an Undead
アンデッドとしての人生(?)
# クエッション・マークが付いているのは、生きていないのに「人生(life)」という言い方をして良いものかどうか自信がないからでしょう。
3. "undead" の語源
"undead" は "dead" と "un-" から成ります:
- dead ・・・「死んでいる」を意味する形容詞
- un- ・・・「否定」を意味する接頭辞
形容詞としての "undead" が登場したのは14世紀ごろです。 "undead" が名詞として使われ始めたのは20世紀になってからです。
4. アンデッドの成り立ち
アンデッドは上述のように「超自然的な力により活動する力を付与された存在」ですが、この「超自然的な力」は例えば次のようなものです:
- 魔法使い本人の魔力
- 悪魔との契約
- なんらかの理由で特定の場所に発生した魔力
ヴァンパイアやゾンビを伝染病と解釈する漫画や映画や小説も存在します。
5. アンデッドの具体例
アンデッドの代表例はゾンビでしょう。 死体が不思議な力で再び動き出すゾンビは先述のアンデッドの定義とぴったり一致します。
他のアンデッドの例は次の通り:
- ヴァンパイア(吸血鬼)
- ミイラ男
- リッチ
- スケルトン(骸骨のモンスター)
- ドラゴン・ゾンビ(ドラゴンがゾンビになったもの)
- ゴースト肉体を持たない幽霊
アンデッドの定義や能力は作品ごとに異なりますが、一般的にゾンビとスケルトンは知能が低い雑魚モンスターです。 ゾンビが恐ろしく描かれる場合も、個体ではなく群れとしての恐ろしさや増殖力の恐ろしさに焦点が置かれます。
ヴァンパイアやリッチは一般的に、高度な知性と魔力を有する強力な存在として扱われます。
グールについて
ゲームによってはグールがゾンビと同じようなアンデッドとして扱われます。 ですが、本来のグールはアンデッドではありません。 グールは死体を食べる鬼(悪魔)で、生きている存在です。
「グール(Ghoul)」は「食屍鬼」や「食人鬼」と訳されます。
ただし、グールの「食屍鬼」としてのイメージが広まったのは「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」が西洋に紹介されてからです。 アラブ世界における当初のグールは、死体だけでなく生きている人も食べ盗みも働く悪魔という位置づけでした。
グールは「悪魔 → 死体専門の鬼 → アンデッド」という具合にイメージが変化したわけです。