ロールプレイング・ゲーム(RPG)やRPGベースのラノベに「ナーフ」という言葉が登場することがありますが、「ナーフ」とは一体どういう意味なのでしょうか?
「ナーフ」の意味
「ナーフ」は "nerf"
「ナーフ」は "nerf" という英語をカタカナで表記した言葉です。
"nerf" の意味
ゲーム用語としての "nerf" は「(主に多人数で遊ぶオンライン・ゲームで)ゲーム・バランスの調整を目的として、ゲームの運営者がゲーム内の要素の有用性を下げる(こと)」という意味です。
「ゲーム内の要素」とは、アイテムやスキルの性能や入手難易度とか、クラス(戦士や魔法使いなどの職業のこと)の性能の高さなどです。
例えば、多人数で遊ぶオンライン・ゲームで、特定のクラスが他のクラスに比べて強すぎれば(敵をサクサク倒せれば経験値もアイテムも入手しやすいので)そのクラスで遊ぶプレイヤーばかりになりますし、特定のスキルの能力が突出して強ければ、そのスキルを覚えるプレイヤーばかりになります。 要は、プレイヤーの遊び方が偏ってしまうということです。
そうなるとゲーム内の多様性が失われ、スキルの組み合わせやクラスの選択などで迷う楽しみがなくなりますし、プレイヤー間での連携や対戦も単調になってしまいます。
そのような事態を避けるためにゲームの運営者が行うのが「ナーフ」です。 特定のスキルやクラスやアイテム、あるいはビルド(キャラクター育成の方向性)が突出して強いという状況を回避することで、ゲーム内の色々な要素が均等に利用されるようになります。
"nerf" の語源
"nerf" のゲーム用語としての意味は、発泡ポリウレタン製の子供用玩具 "NERF" に由来しています。 子供用玩具 "NERF" には、ボール・剣・銃(弾が発泡ポリウレタン製)などがあります。 "NERF" は素材の柔らかさが特長です。
Raph Koster's Websiteによると、ゲーム用語としての "nerf" が初めてオンライン・ゲームのプレイヤーの間で用いられたのはウルティマ・オンライン(1997年にサービス開始)です。
ウルティマ・オンラインにおいて剣の性能が弱体化されたときにプレイヤーたちが「剣が弱くなってしまって、まるで "NERF" で叩いてるみたいだ」と不平をこぼしたのだそうです。
ちなみに、"NERF" という子供玩具のブランド名は、オフロード・カーのレースで使用される俗語 "nerf"に由来しています。 カー・レース用語としての "nerf" は「偶然または故意に他の車に軽くぶつかる」という意味です。