「スタン」の意味

RPG(ロール・プレイング・ゲーム)やラノベ(ライト・ノベル)で「スタン」という言葉が使われることがありますが、この「スタン」とは一体どういう意味なのでしょうか?

「スタン」の使われ方

RPGでもラノベでも、「スタン」は状態異常(毒や睡眠や麻痺など)の1つで、「この武器/魔法/スキルにはスタンの効果がある」とか「(プレイヤーやモンスターが)スタンしている」といった使い方をします。

「スタン・レイ」や「スタン・ハンマー」などのように、魔法やアイテムの名称に「スタン」が使われることもあります。

「スタン」の意味

「スタン」は "stun"

「スタン」は "stun" という英語をカタカナで表記した言葉です。

"stun" の意味

"stun" は「(物理的な衝撃・頭部への打撃・転倒などによる)気絶・失神」という意味です。 「(物理的な衝撃・頭部への打撃・転倒などで)気絶・失神させる」という動詞としての意味もあります。

"stun" には「肉体的に気絶・失神させる(こと)」という意味のほかに「精神的に気絶しそうなほどに驚かせる(こと)、精神的なショックを与える(こと)」という意味もありますが、「スタン」というカタカナ語がこの精神的なほうの意味であることは無いでしょう。

「失神」や「気絶」に関連する英単語には "faint" や "unconscious"、"senseless" などがありますが、"stun" は特に「物理的な衝撃による」気絶や失神を意味します。 精神的なショックにより気絶する場合には "faint" などの語が用いられるようです。

辞書での定義

複数の英英辞典で "stun" の意味を調べると、辞書によって微妙に内容が異なりますが、どの辞書も1番目に記載される意味に「打撃により意識を失わせる(こと)」というニュアンスを含む点で共通しています。 辞書によっては、"stun" において意識を失わせしめるものとして「打撃」の他に「転倒」や「大きな音(衝撃波)」を挙げています。

そして、2番目の意味として記載されているのが「精神的にショックを与える(こと)」という意味です。 「精神的なショックで気絶させる」という意味は無いけれど、「精神的なショックを与える」という意味はあるということです。 「気絶するほどの驚きやショックを与える」という比喩的な意味ということでしょう。

"stun" の使われ方

英語の "stun" には名詞(気絶・失神)としての意味と他動詞(気絶・失神させる)としての意味しかありません。 "stun" に形容詞(気絶・失神した)や自動詞としての意味(気絶・失神する)はありません。

"stunned"

気絶・失神した(している)」という状態を意味する形容詞として使いたいときには "stunned(スタンド)" という過去分詞形を用います。

したがって、例えば、「プレイヤーが操作するキャラクターがモンスターにハンマーで殴られて気絶して行動不能である」という「状態」を表示するときに使われる言葉は、"stun" ではなく "stunned" になります。

"stunning"

気絶・失神させるような(効果のある)」という性質を意味する形容詞として使いたいときには "stunning(スタニング)" という過去分詞形を用います。

例えば、「モンスターを気絶させる効果を持つ光線を放つ魔法」の名称は "stunning ray" となります。 ただし "stunned" の場合と違って、「気絶・失神させるような(効果のある)」という意味を表すには "stunning" だけでなく "stun" も使えます。 むしろ "stunning" よりも "stun" を使うことのほうが多いかもしれません

例えば、冒頭に挙げた「スタン・レイ(気絶効果のある光線)」というカタカナ語に相当する英語として、"stunning ray" と "stun ray" のどちらもあり得ます(実際に英語圏のゲームで使用例があります)。

「スタン・ハンマー(殴った相手を気絶させる効果を備えるハンマー)」も同様に、"stunning hammer" と "stun hammer" のどちらでもOKです。

また、護身用具などとして利用される実在の武器「スタン・ガン」は "stun gun" という英語をカタカナにしたものですが、これも "stunning" の意味で "stun" という語が用いられる一例です。 "stun gun" と同じものを指して "stunning gun" ということもあります。

さらに、「スタン・グレネード」(まぶしい光と大音量を放つ、殺傷よりも鎮圧を目的とする爆発物)という武器もありますが、これは "stun grenade" という言い方をするのが普通で、"stunning grenade" という言い方はしないようです。
"stun" の項目に「気絶・失神させるような(効果のある)」という形容詞としての意味を記載している辞書は1つもありませんでしたが、 "stun gun" や "stun grenade" における "stun" の使われ方を見ると、"stun" にそういう形容詞としての意味があると認めてしまっても良いように思います。

英語の "stun" とカタカナ語「スタン」

「スタン」というカタカナ語を元の英語に忠実に使うなら次のようになります:

  1. 「スタン(気絶)になる」よりも「スタンド(気絶状態)になる」という言い方が適切。
  2. 英語の "stun" には他動詞としての意味しかない(*)ので、「スタンする(した)」ではなく「スタンさせられる(させられた)」という言い方が適切。
(*) 「(~を)気絶させる」という意味しか持たず、「(~が)気絶する」という自動詞としての意味を持たない。

ただまあ、「スタンする」の代わりに「スタンさせられる」と言うのもまどろっこしいですし、私を含めて日本人の大部分は「スタンド」という言葉を聞くと "stunned" ではなくジョジョを連想するので、元の英語の用法にこだわることもないでしょう。