RPGやライト・ノベルなどのファンタジー作品に登場する剣の1つ「バスタード・ソード」。
このバスタード・ソードとは一体どういうものでしょうか? 「バスタード」とは、どういう意味でしょうか?
1. バスタード・ソードとは
「バスタード・ソード(bastard sword)」という言葉は次の3つの意味で使われてきました:
- 片手でも両手でも振るえる曖昧な長さの長剣(ロング・ソード)
- 両手持ち(トゥー・ハンデッド)でも片手持ち(ワン・ハンデッド)でもない片手半(ハンド・アンド・ア・ハーフ)の剣
- 短剣(ショート・ソード)と長剣(ロング・ソード)の中間の曖昧な長さの剣
2.「バスタード」の意味と由来
2.1. "bastard" の意味
意味は多い
英語の "bastard" には次のように多くの意味があります:
名詞としての意味
- 私生児
- (形状やサイズなどにおいて)不規則、異常あるいは劣っている者や物
- 由緒が疑わしい者や物
- 雑種(純血種より劣っているという意味合いを持つ)
形容詞としての意味
- 私生児として生まれた~
- (形状やサイズなどにおいて)不規則な~、異常な~、劣っている~
- 似ているが本物ではない~、偽造・模造の~、~モドキ
"bastard sword" の "bastard" は?
"bastard sword" の "bastard" は上記のいずれの意味でしょうか?
この謎を解明するため、"bastard sword" という呼称の由来を次で見てみましょう。
2.2. "bastard sword" という呼称の由来
2つの説
"bastard sword" という呼称は、フランス語の "épée bâtarde" に由来して15~16世紀ごろに誕生したとされます。
"bastard sword" という呼称の由来に関して、次の2つの説があります:
- このタイプの剣の由緒がはっきりしないことに由来する。 欧州のどの地域を起源とするのかが不明(フランスでもスペインでもドイツでもない)なので「バスタード・ソード」と呼ばれるようになった。
- 剣の長さが(中世の時点における)既存の剣の分類に当てはまらない(片手持ちの剣にしては長い)ことに由来する。
2.3. "bastard sword" の "bastard" の意味
上記から、"bastard sword" の "bastard" の意味は「私生児(由来がはっきりしない)」か「雑種(性質が中途半端)」のどちらかです。